ポストさんてん日記

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【GPその1】パトリック・ムーア氏「私がグリーンピースをやめた理由」の邦訳

[ 2019/04/01 (月) ]
グリーンピースの一側面(環境活動家の扇動・誇張)に関する興味深い情報でしたので、全文引用しました。
本エントリーをまとめている最中に、グリーンピース(GP)に関する別情報に出会い、別エントリーも起こしましたのでタイトルに連番を付けました。

(補足的な情報)
パトリック・ムーア氏 Patrick Moore 1947年~
カナダ生まれ。
1972年、ブリティッシュコロンビア大学資源・環境研究所で林学の博士号(Doctor of Philosophy)を取得。
1971年の国際環境保護団体グリーンピースに参加、1986年まで代表を務めた。
1977年~1986年、グリーンピース・カナダ代表。
1985年、グリーンピース・カナダ事務局長を辞任。
1991年、環境コンサルタントグリーンスピリットを創設。
出典:Wikipedia
パトリック・ムーア


原典のyoutube 『私がグリーンピースをやめた理由』

Why I Left Greenpeace


【全文引用】

動画「私がグリーンピースをやめた理由」を訳してみた。

人類のために環境を良くすることを使命としていた団体が、なぜ人類を悪者とみなし、科学を無視する政治運動になってしまったのか。創設メンバーの1人であるパトリック・ムーアが説明します。

1971年、カナダのバンクーバーにあるユニテリアン教会の地下で、私はある環境グループの設立に力を貸した。15年の間に、その団体は国際的な巨大組織に成長した。私たちは毎日のように新聞紙上をにぎわした。私は有名になった。そして私はこの組織を去った。
かつては気高いものであったこのミッションは腐敗した。政治的なアジェンダ恐怖による扇動科学と真実を打ち負かしてしまった。何が起きたか説明しよう。

ブリティッシュ・コロンビア大学で環境学の博士課程に在籍していた頃、私は"波を立てるな委員会"という小さな活動家グループに参加した。冷戦の緊張は最高に達し、ベトナムでは激しい戦争が行われていた。こうした現実や、環境に対する新たな意識の高まりにより、私は急進的になっていた。

"波を立てるな委員会"の使命は、アラスカでの米国の水爆実験に海上で抗議活動を行うこと。これは核戦争反対という私たちの立場の象徴だった。設立当初、ある会議がお開きになったとき、誰かが「ピース」と言った。他の誰かが「名前はグリーンピースにしよう」と答えた。こうして新しい運動が生まれた。

グリーンは環境のため。そして、ピースは人々のため。私はグリーンピース号と名付けられた船に12人のクルーの一員として乗り組み、抗議の航海に旅立った。
その水爆実験を止めることはできなかったが、それが米国が起爆した最後の水素爆弾になった。私たちにとって大きな勝利だった。

1975年、グリーンピースは反核運動から捕鯨反対運動へと大きく舵を切った。遠洋に船を出し、ロシアや日本の捕鯨船に抗議するのだ。逃げる鯨と銛の間に入って抗議する若い活動家の姿を私たちは撮影した。その映像が世界中のテレビで放映されると、一般からの寄付金が殺到した。

1980年代の初めまでに、私たちは有毒廃棄物大気汚染娯楽としての大型動物の狩猟シャチの飼育に反対するキャンペーンを張った。
しかし、私は同僚の理事たちの方向性に違和感を覚え始めていた。6人の国際理事のうち、正式な科学の教育を受けたのは私だけだった。

私たちはこの頃、毒物/化学/人の健康など、複雑な問題を含むテーマに取り組んでいた。
鯨を絶滅から救うことが良いことだということは、海洋生物学の博士号を持っていなくても分かる。しかし、どの化学物質を禁止するかを分析するには、科学的な知識が必要だ。
そして、環境学で最初に教わることは、私たちはすべて相互につながっているということだ。人類は自然の一部であり、自然から分離して存在するわけではない。たとえば、その他の多くの種、病原体、保菌動物は私たちの敵だ。私たちにはこうした敵から人類を守る道徳的な義務がある。生物学的な多様性は、必ずしも私たちの友人ではないのだ。

他にも気づいたことがある。年の収益が1億ドルを超える国際組織に成長したとき、私たちの姿勢に大きな変化が起こった。グリーンピースの「ピース」はどこかに行ってしまい、「グリーン」が重んじられるようになった。グリーンピースの言葉を使えば、人類は「地球の敵」となった。

産業の成長を止めることや、役に立つ多くの技術や化学物質を禁止することが、運動の共通のテーマとなった。科学や論理は重視されなくなった。扇情主義デマ情報恐怖を使ってキャンペーンを推進するようになった。

同僚の理事たちが世界中の塩素の禁止に取り組むことを決定したことが最後の一藁となった。彼らは、塩素がまるで邪悪なものであるかのように「悪魔の元素」と呼ぶことにした。しかし、これは馬鹿げている。
飲み水に塩素を加えることは、公衆衛生の歴史で最大の進歩の1つである。化学に関する基本的な知識を持つ者なら、効果的な医薬品の多くには塩素成分が含まれていることを知っているはずだ。
それだけではない。この反塩素キャンペーンが成功すれば、苦しむのは寄付してくれる裕福な人々ではない。経済的な余裕のある個人や国はこうした愚行を回避する方法をいつでも見つけられる。苦しむのは、発展途上国の人々、私たちが支援しようとしている人々なのだ。

たとえば、グリーンピースはゴールデン・ライスの採用に反対している。この米は、ベータカロチンを含む遺伝子組み換え作物である。世界で最も貧しい200万人の子供達の命を毎年救うことができると考えられている。
しかし、グリーンピースのメンバーにとってこれは重要ではない。遺伝子組み換えは悪いこと。だからゴールデン・ライスも悪いに違いない。まるで、100万人単位で子供達が死ぬことは悪いことではないとでも言うように。

通常、こうした硬直した後ろ向きの思考は、「無知蒙昧」で「非科学的」な人々のものだとされている。だが、どんな組織でもこうした考えに侵される可能性があることを私は身をもって体験した。たとえそれがグリーンピースのような高潔な響きの組織であっても。


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