田崎先生の本の修正(自然被曝線量は2.09→2.1m Sv/年)に合わせ更新。2013/1/9
(上記までの追記・更新記録は割愛)
初回公開日:2012/04/07
放射性物質は自然界にも存在しており、日本平均では、
年間2.1 mSvの自然放射線を受けています(1時間あたりに単純換算すると、0.25 μSv/hになる) 。
ちなみに、世界平均では年間2.4 mSv です。
自然放射線による被ばくの内訳は以下のとおり。
【更新】
同じ調査の1992 年のバージョンでは
1.5 mSvとされていた。新しい調査結果で被曝量が増加したのは日本での環境が変わったからではなく、
ポロニウム210による内部被曝の評価を食物中のポロニウム210 の量の実測値をもとに正確に計算したことなど、評価法の改善によるという。
すなわち、大地の放射線と宇宙の放射線から
外部被ばくを年間0.63 mSv、食べ物中の鉛210、ポロニウム210、カリウム40などと、呼吸で吸入するラドンなどによって
内部被ばくを年間1.47 mSv受けています。
【更新】
自然放射線量 合計 2.1 mSv/年
上記の自然放射線ではないが、レントゲン、CTなどの
医療被ばくが年間3.9 mSvあります。(医療先進国の平均は1.92 mSv、世界の平均は0.62 mSv)
目次 (ページ内リンクが付いています)
0.自然放射線の起源 1.地球誕生時を由来とするもの
2.大気圏上層での生成を由来とするもの
Ⅰ.内部被ばくの主な原因である ポロニウム、カリウム、ラドンについて詳細 1.ポロニウム Po-210、(鉛 Pb-210) 2.カリウム K-40 3.ラドン Rn-222 4.トリチウム T-3 5.炭素 C-14 Ⅱ.大地からの自然放射線による外部被ばくについて 1.身の回りの自然放射線、相場観を持つための例示 2.自然放射能・放射線ではないですが、 3.大地からの自然放射線による外部被ばく量のイメージ Ⅲ.市川定夫氏の嘘、『生物は「自然」放射性核種には適応しているから無害で、「人工」放射性核種は生体内で濃縮されるので有害であるといった主張』への反論
Ⅳ.世界各国の自然放射線 1.欧州各国の自然放射線とチェルノブイリの影響
2.欧州各地の自然放射線
3.世界各国のラドンレベル
4.世界各地の大地から受ける自然放射線
Ⅴ.宇宙線からの自然放射線による外部被ばく Ⅵ.つぶやき . 0.自然放射線の起源
1.地球誕生時を由来とするもの
出典:「放射線医学総合研究所」
自然起源放射性物質(NORM)とは?
現在、地球を構成するすべての天然資源(主に土壌や岩石や鉱石)には、自然起源の放射性核種が含まれる(地域や物質で差はある )。
通常の土壌や岩石などに含まれる自然起源の放射性核種は、野菜や家畜など食物を介して人体に取り込まれるため、人体にも自然起源の放射性核種は少なからず含まれる。
2.大気圏上層での生成を由来とするもの
大気圏上層で、高エネルギーの一次宇宙線によって生成された二次宇宙線に含まれる中性子が窒素などと核反応を起こすことによって、
トリチウムT-3 や
炭素C-14 ができる。これらは上記とは違い、常に一定量の生成がある。
. Ⅰ.内部被ばくの主な原因である ポロニウム、カリウム、ラドンについて詳細
1.ポロニウム Po-210、(鉛 Pb-210)
冒頭記載のように2011年報告で、従来、過小評価されていたとして追記されたものである。
(1) 放射性崩壊図、半減期 わが国を含めて世界の普通にどこにでもある土には、平均して1トン当りに
自然のウランが1~10グラム程含まれています。ウラン1グラムはほぼ1万ベクレルに相当しますので、これは1万~10万ベクレル含まれていると云うことになります。(これらは地球誕生時に取り込まれたもの)
出典:「専門家が答える 暮らしの放射線Q&A」2012/10/31
ウランについて、2012/6/4
体内から検出されたウランについて教えてください ウランU-238が崩壊して始まる
ウラン系列の下位のほうに
鉛Pb-210があり、それがさらに崩壊して
ポロニウムPo-210になる。(崩壊の初期にはラドンRn-222もある。)
ポロニウムPo-210は半減期
約140日(正確には138日)で
α線を出して崩壊し、安定な鉛Pb-206になる。すなわち、摂取により
α線被ばくを受ける。
図の見方はこちら。さらに詳細は
http://twitpic.com/71h92i (by @Yoneckland2さん)の図を参照ください。
(2) 1日の摂取量、年間摂取量、内部被ばく量 | ポロニウム Po-210 | 鉛 Pb-210 |
1日の摂取量 | 1.7 Bq/日 | 0.23 Bq/日 |
年間摂取量 | 610 Bq/年 | 85 Bq/年 |
(世界平均) | (58 Bq/年) | (30 Bq/年) |
年間の被ばく線量 | 0.73 mSv/年 | 0.058 mSv/年 |
(世界平均) | (0.07 mSv/年) | (0.021 mSv/年) |
実効線量係数 | 1.2×10-6 Sv/Bq | 6.9×10-7 Sv/Bq |
年間の被ばく線量は、合計
0.80 mSv/年で、自然放射線による被ばく量(2.1 mSv/年)の
4割弱を占める。
Po-210,Pb-210は、人体中に合計で
約20ベクレル存在している。出典:
ATOMICA (
これも見直しがあるのかも知れませんね。)
(3) 食品に含まれるPo-210、一日の摂取量 (4) 人体への影響度合い Po-210の摂取量や体内量がカリウムK-40のそれに比べて小さいのに、内部被ばく量が大きいのは、
α線核種の為である。
既エントリー5項の
実効線量係数の表で、他の核種と比べてみると明確です。
K-40の約190倍(=120/0.62)
Cs-137の約90倍(=120/1.3)
【チョットつぶやき】
今まで当ブログでの放射線影響のエントリーは、β線,γ線のような低LET放射線を念頭に置いていました。
α線については、ラドンで少しのヒッカカリを感じていましたが、今回のポロニウムの実態が明らかになったことで、少し驚きました。
ただし、本エントリーの最後のつぶやきに書いた『自然放射線の実態を認識すると、人体には放射線に対応する能力があるという説明には実感を覚えます。』の感覚は強まる方向であることは確かです。 【個人的メモ】
. 2.カリウム K-40 (天然カリウムの中に、0.0117%存在する)
(1) 放性崩壊図、半減期

印が、K-40の線量測定時に計測する放射線。
自然界にあるカリウム
*の中に約1万分の1(0.0117%)、不安定なカリウムK-40が混ざっていてβ線とγ線を出している。K-40は不安定といっても、
半減期は約13億年、極めて少しづつしか崩壊しない。
逆に言えば、K-40とセシウムCs-137(
半減期30年)が、
同じベクレル数ある場合、数(分子数)や質量(重さ)で見たら、K-40はCs-137 の約1億倍(≒13億年÷30年)存在していることになる。
* カリウムは人体で8番目もしくは9番目に多く含まれる元素。これは硫黄や塩素と同程度の含有量であり、主要なミネラルでカリウムより多く含まれているのはカルシウムとリンのみ。
【関連エントリー】
竹野内真理ツイートの真面目な分析 (2) 内部被ばく量 飲食によって人体中のカリウムの量は増加することになるが、一方で同等の量が排出されるため、常に一定に保たれている。
【関連エントリー】
必須栄養素であるカリウムの摂取基準、おまけで被曝量(3) 食品に含まれるK-40、一日の摂取量 Bq/日
(出典:農水省 放射性物質の基礎知識、 塩化カリウム肥料1 kgは、約15,000 BqのK-40を含んでいる。)
- 様々な食品のK-40の含有量を計算されているブログにリンクさせて頂きました。 「放射線が目にしみる」9/13食品の中のカリウム40
- 年間の被ばく線量から1日の摂取量を逆算すると、79 Bq/日となる。
0.18mSv/年÷1000÷365÷(6.2×10-9Sv/Bq)=79 - 幾つかの実測値をカリウムK-40、一日の摂取量(調査結果)に纏めています。
(4) 人体への影響度合い (田崎先生の論説による)
① 一回の摂取の場合 (現実にはありえないので②になる)
(同じベクレル数の場合)、実効線量係数からセシウムCs-137の
約半分(=0.62/1.3)である。 (
既エントリー5項の実効線量係数の表を参照)
【メモ】
ECRRが発表している実効換算係数値は、ICRPのものに比較すると3~10倍高いが、不思議な事に、ECRRはK-40の係数を発表していないようである。K-40の存在を認めると、内部被曝の説明が十分にできないのではないだろうか。
② 継続して摂取する場合 (同じベクレル数の場合)、放射性カリウムと放射性セシウムによる内部被ばくの人体影響は、
同じレベルである。
詳細は
【前篇】放射性セシウムと放射性カリウムの人体影響は同じレベルを参照。
【参考エントリー】
セシウムの体内動態(文献による勉強) 【個人的メモ】一回の崩壊での平均エネルギーは β線:0.52MeV、γ線:0.16MeV
. 3.ラドン Rn-222
出典:ATOMICA
内部被ばく(09-01-05-02)の
表3 自然放射線からの日本人の1人あたりの年間実効線量、
ラドン(自然環境中の放射線源)(08-01-03-12) ラドンは無味無臭の気体で、不活性ガスの仲間に入る。
大地を構成する土壌・岩石から放出されたラドンは、
地球上のあらゆる地域で大地からしみ出しており、地表面から大気中に散逸するか、または家屋の床を通して屋内大気に侵入する。家屋の建材(コンクリート、石工ボード、石、土など)もラドンを放出する。
花崗岩の多い
西日本では比較的高く、
関東ローム層に覆われた関東地方では低い値である。
通風性の良好な木造家屋の多い日本は、屋内のラドン濃度が世界的に見て低い。しかし、気密性の高い近代の住宅環境では、換気への配慮がなければわが国でも屋内ラドン濃度が高まる可能性がある。
(1) 放射性崩壊図、半減期 わが国を含めて世界の普通にどこにでもある土には、平均して1トン当りに
自然のウランが1~10グラム程含まれています。ウラン1グラムはほぼ1万ベクレルに相当しますので、これは1万~10万ベクレル含まれていると云うことになります。(これらは地球誕生時に取り込まれたもの)
出典:「専門家が答える 暮らしの放射線Q&A」2012/10/31
ウランについて、2012/6/4
体内から検出されたウランについて教えてください ウランU-238が崩壊して
ラジウムRa-226に変わり、Ra-226がさらに崩壊することで
ラドンRn-222が生れる。
そこまでの崩壊系列
(上記はウランU-238から始まる
ウラン系列というものだが、これとは別にトリウムTn-232から始まりラジウムRa-224、ラドンRn-220(トロンとも言う)に崩壊する
トリウム系列もある。)
ラドンRn-222以降は以下のとおり。吸入により娘核種を含め、
α線、β線、γ線被ばくを受ける。
図の見方はこちら。さらに詳細は
http://twitpic.com/71h92i (by @Yoneckland2さん)の図を参照ください。
(崩壊直後の新しい核種は通常、励起状態にあることが多く、
ベータ崩壊にはガンマ崩壊が伴っていることが多い。)
(2) 内部被ばく量 ラドンRn-222の吸入から
0.37 mSv/年、ラドンRn-220(トロンとも言う)の吸入から
0.09 mSv/年、合計
0.46 mSv/年で自然放射線による被ばく量(2.1 mSv/年)の
2割強である。
(3) 屋内のラドン濃度 放射線医学総合研究所の資料に市町村の屋内ラドン濃度マップがある。(
原典はこちら、少々重いです。)
家屋構造材の種類によっても異なり、コンクリートブッロク造が最も多く42.5 Bq/m
3、プレハブ造は最も少ない。
| 家屋数 | ラドン濃度 平均 Bq/m3 | ラドン濃度 最大値 Bq/m3 |
コンクリートブロック造 | 16 | 42.5 | 208 |
コンクリート造 | 182 | 23.1 | 94 |
木造 | 597 | 12.9 | 78 |
鉄骨フレーム造 | 90 | 12.8 | 77 |
プレハブ造 | 6 | 10.0 | 17 |
(4) 一日の吸入量 Bq/日 平均被ばく線量から1日の吸入量を逆算すると、
156 Bq/日になる。
0.37mSv/年÷1000÷365÷(6.5×10
-9Sv/Bq)=
156 Bq/日 また、木造家屋、成人の1日標準呼吸量を 20m
3、として計算すると、
260 Bq/日になる。
12.9×20=
260 Bq/日 (5) (吸入した時の)人体への影響度合い (同じベクレル数の場合)、実効線量係数から、セシウムCs-137の
約2割(=0.65/3.9)である。(
既エントリー5項の実効線量係数の表を参照)
1982年国連科学委員会(UNSCEAR1982)の報告書が公表され、保健物理の分野において、ラドンによる放射線被ばくが注目されるようになった。自然環境のラドン濃度が異常に高い地区、特にウラン鉱山における坑夫等の疫学的調査から、ラドン(Rn)およびその娘核種等による被ばく評価ならびにラドンの内部被ばくに由来するガン発生率の上昇が論じられている。
ラットを用いた放射線の影響を調べる実験では、ラドンの吸入量が高くなるほど、肺がんの発生率は高くなり、たばことの複合によって2~4倍高くなる。
■
WHOのファクトシート(2005年6月)より 室内での世界的な平均ラドン濃度は
39 Bq/m3であると推測されている。
ヨーロッパ、北アメリカ、中国での主要な研究の統合解析により、家庭内のラドンは世界的に見て肺癌を引き起こす一因に十分なりうることが確認されている。最近の推定によるとラドンに起因すると考えられる肺癌の率は6%から15%である。
肺癌の危険性はラドン濃度が100 Bq/m3上昇する毎に16%増加すると推定されている。
ほとんどの国では
200~400 Bq/m3の室内ラドン濃度を、限界濃度または基準濃度として許容しており、それを超えると家庭内での濃度を下げるための対応策をとることになっている。
2004年のWHO 飲料水の水質ガイドラインと欧州委員会は、公共の飲料水のラドン濃度が
100 Bq/Lを超える場合は、繰り返して計測するなどの管理を行うべきであると勧告している。アメリカ合衆国では、個人への水供給について、ラドンの最大汚染濃度を
150 Bq/Lにするように提案している。
WHO は2005年に国際ラドンプロジェクト(International Radon Project)を立ち上げた。
水に対するラドンの溶解度は他の希ガス元素と比較して、キセノンの約2倍、クリプトンの約4倍、アルゴンの約8倍、ネオンやヘリウムの約20倍である。
(6) 屋外の濃度(最近の実測データ) ラドンRn-220(トロンとも言う)の娘核種である鉛Pb-212の実測データがありました。
詳細は
大気中の放射性物質の挙動(フォールアウト時、再浮遊時、現状)をご覧ください。
【個人的メモ】
. 4.トリチウム T-3
冒頭の円グラフのとおり、平均被ばく量への寄与はほとんどありません。
別エントリーにまとめていますが、崩壊図のみ転記しておきます。
. 5.炭素 C-14
こちらも冒頭の円グラフのとおり、平均被ばく量への寄与はほとんどありません。
別エントリーにまとめていますが、崩壊図のみ記載しておきます。
. Ⅱ.大地からの自然放射線による外部被ばくについて
大地からの自然放射線による外部被ばくは平均で
0.33 mSv/年で、自然放射線による被ばく量(2.1 mSv/年)の
2割弱を占める。
■ 地上1mの自然放射線量をマップで示しているサイト:
日本の自然放射線量
図のレベル単位を年間に換算すると、365日×24時間=8760時間を掛けて
最高の赤レベル0.127 μGy/h ⇒ 1.1 mSv/年
日本人平均レベル0.038 μGy/h ← 0.33 mSv/年
最低の青レベル0.00581 μGy/h ⇒ 0.05 mSv/年
となり、日本人平均は2つ目の薄青に該当します。確かに一番多いレベルですね。(α線による外部被ばくは無視できるので1Gy=1Svで良いと思います。) この大地放射線を発している物質は、下図の「岩石の種類と放射能濃度」のとおり、
ウラン系列の放射性物質、
トリウム系列の放射性物質、および
カリウムK-40である。
. 1.身の回りの自然放射線、相場観を持つための例示
■ 岩石の種類と放射能濃度
- 花崗岩(御影石)の自然放射能(α線、β線、γ線)
U-238 系列,Th-232 系列(α線、β線)の合計で120 Bq/kgくらい。
カリウムK-40(β線、γ線)で800 Bq/kgくらい。
ちなみに、『国会議事堂 ホットスポット』で検索すると、結構、測定している方がいます。 - 建材中のラジウム濃度Bq/kg、日本のセメント中のラジウム濃度Bq/kg(α線、β線、γ線)
自然放射能として、最高値はスウェーデンの明ばん頁岩ベースのコンクリートで1500 Bq/kg。
日本のセメントのデータでは、U-238 系列,Th-232 系列(α線、β線)の合計で25~100 Bq/kgくらい。カリウムK-40(β線、γ線)で76~230 Bq/kgくらい。
(建材からは放射線と共に気体のラドンが出ているが、内部被ばくで説明済み。) - 岩石・土壌等から出る自然放射線(β線・γ線)小島博之
大阪府教育センターの花崗岩の測定値、国道のトンネルでの測定値などがあります。単位はμSv/hなのでチョット比較しにくいですが、原発事故の影響が少ない関西での数値として参考までに。なお、γ線は岩石中のカリウムK-40 から出ているとの事です。 - 食品中のカリウムK-40 (β線、γ線)
くどい

ですが、この図を例示したのは、食べた時の事ではなく、食品からそれなりの放射線が出ていて
外部被ばくもしているというイメージで。
そもそもカリウムK-40 は人体全身中に約
4,000 Bq存在しています。それからのγ線の内、約70%は体外に放出されます。通勤ラッシュの車内をイメージすると・・・。
と書いていたらありました、それを絵にした資料が。
. 2.自然放射能・放射線ではないですが、
- 過去の水田の土壌中のセシウムCs-137(β線、γ線)
1967年には、中国の核爆発実験による影響を受けて最高値138 Bq/kg(日本海側の平均で65 Bq/kg)を記録しています。水田以外の土壌も同等だと思いますので、数年間はそのような環境で生活していた訳です。 - 昨年の10月、世田谷区の民家の床下にラジウム入りの瓶が置かれていて、その民家の所有者の女性は相当高い線量を被曝し続けていたことが明らかになった。その線量は、区道から1.5メートル離れた民家の壁から最大18.6 μSv/hという強さであった。この値は、かなり高い。
その瓶には「日本夜光」と書かれたラベルが貼られており、夜光塗料用だった可能性が高い。昭和30~40年代から置かれていたと考えられている。
最悪のケースだと年間被曝量が
18.6×24×365/1000=162 mSv/年
そして、総被曝量は、45年間であったとすれば、7332 mSvという途方もない量である。一回での被曝であれば致死量になる量である。しかし、この家の居住者は発がんした訳ではない。
. 3.大地からの自然放射線による外部被ばく量のイメージ
大地からの自然放射線による外部被ばく
0.33 mSv/年の量的なイメージを少し深く掘り下げてみます。(素人の数字のお遊びです。間違いがあるかも) 。
単純化の為に、全てがカリウムK-40のγ線による外部被ばくで、年間を通して線量の変化がない地点を仮想した場合、線量計では
0.038 μSv/hが計測されることになる。(
空間線量=
実効線量)
0.33mSv/年=0.038μSv/h×24h×365日
以下1時間あたり。
0.038μSvの人体影響=0.038μGyの吸収線量 (γ線の加重系数は1の為)(人体は一様の物質と仮定)
0.038μGyの吸収線量=0.038μJ/kgの吸収エネルギー
カリウムK-40のγ線の光子1個のエネルギーは、1.5MeV、(1MeV=1.6×10
-13J)なので、上記が光子何個分のエネルギーになるか?計算してみると、
0.038μJ/kg÷(1.5MeV×1.6×10
-13J/MeV)=160000個/kg
すなわち、体重1kgあたり、
1時間で約16万個、
1秒では44個のγ線光子を人体に吸収していることになる。
. Ⅲ.市川定夫氏の嘘、『生物は「自然」放射性核種には適応しているから無害で、「人工」放射性核種は生体内で濃縮されるので有害であるといった主張』への反論
. Ⅳ.世界各国の自然放射線
1.欧州各国の自然放射線とチェルノブイリの影響
バラツキは大きい。例えば、イギリスとフィンランドでは
5 mSv/年以上の違いがある。これはラドンレベルの違いのためである。日本のレベルは、欧州各国の中で低いレベルに位置するようだ。
【個人的メモ】
2.欧州各地の自然放射線
10 mSv/年を超える地域がある。これの多くはラドンによるもの。
3.世界各国のラドンレベル
