データ更新および追記。 2016/4/2
初回公開日: 2014/12/1
レアアースの世界生産シェア、日本の輸入量、中国をWTOに提訴した件、日本の国内需要量、などについてまとめました。
目次
1.レアメタルとレアアース
2.中国が世界シェアの9割(中国の戦略)
3.日本のレアアース輸入量の経緯とWTO提訴の経緯
4.レアアースの国内需要
1.レアメタルとレアアース (簡単な基本説明)
レアメタル
レアメタルは、 47種の金属元素で、それぞれ耐熱性、耐食性、蛍光性に優れるなど特殊な性質を有しており、自動車、IT製品などの精密機械の原材料等として、幅広く使用されている。
世界的な精密機械の普及等に伴い、有用性が高い一方で希少性も高いレアメタルに関する注目が。

出典:H24年版 環境白書 図1-3-23
レアアースはレアメタルの一種
レアメタルのうち、スカンジウム、イットリウム、ランタンからルテチウムまでの
17元素のグループは
希土類元素、あるいは
レアアースと呼ばれ、原子を構成する電子軌道の「4f電子」という特徴的な電子軌道に起因する特性や化学的性質を有する。
レアアースの存在が明らかになったのは1794年。スウェーデンで見つけられた新しい鉱物中に未知の元素の酸化物の“新しい土”を発見し、それを“希な土(rare earth)”と名付けたことが語源。
産業用資源として使われはじめ たのは20世紀初頭で、ライターの発火石の原料としての用途が中心。当時はレアアースの精製・分離技術が確立されておらず、原鉱の状態のまま、またはミッシュメタル(合金)の状態で利用されるケースがほとんど。
その後、精製・分離技術が発達し、またレアアースの特性が明らかにされるにつれ、現在は、日本の産業界にとって不可欠な金属資源。特に日本企業が技術優位性を有しているハイテク産業分野での用途が拡大しており、日本の経済成長の“鍵”となる金属資源といえる。
レアアースの
17元素は、発見された経緯や元素ごとに分離する際の状況により、
軽希土類(軽レアアース)と
重希土類(重レアアース)に大別される。
軽希土類(軽レアアース)は比較的世界の広い地域に分布しているため、今後各地での開発が進むにつれて供給源の多様化につながりやすい。
重希土類(重レアアース)は偏在性が高く、現在のところ、
中国のある特定の鉱床でしか十分に生産できる量が確認されていない。 そのため、より調達リスクが高いとされ、その安定供給が危ぶまれている。
【主な出典】
レアアースの通説 正と誤(JOGMEC
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)
(独立行政法人)物質・材料研究機構のサイト2.中国が世界シェアの9割(中国の戦略)